morisankunの日記

アラサー。

あの日に戻りたい

私は30代で、今現実の人生はそこそこうまくはいっているけど

大勝利!毎日幸せ!バラ色の人生!笑いが止まらない!…ってことはない

 

ふと学生時代に戻りたいと思うことがあるのは、学生時代がもう今の私からは遠いものになりすぎて当時の苦しいことを何も覚えていないからだと思う。

 

学生時代にやってたmixiを開いてみると私は「早く働きたい、卒業したい、こんな場所嫌だ」と言っていたりする。

いつだって私はここにはない夢のような何かを求めていて、

ただ学生時代は「未来はもっと良くなっていく」「未来は変えられる」という不確定な部分に今よりももっとたくさん夢が見られたから、今より気楽で

それゆえにあの頃に戻りたいなと思う。

 

30代から見ての”将来”はあまり楽しみが多くない。

もう転職は考えられないから、ここから数十年同じ経済状況が続くし

それが終わった後は老後の年金も貰えないだろう世代だ。”お先”は割とマジで真っ暗。

 

何にでもなれる、どこにでも行けると思い込めた子供の頃とは違う。

それだけでもう、人生の半分くらいの色は失われている。

 

年齢関係ないよ!やろうと思えば何でもできるよ!という人もいると思うが

私が学生時代にしていたバイト先にいた30代でバックパッカーをしていた女性は

逆にもうその生き方しかできなくなっていた。

バイトで年に半分仕事して、残り半分は海外貧乏旅行に費やしていたアラフォー独身女性。お金がないからと職場の人間で集まってランチするとか飲み会とかにも一切来なくて、転々としてるから友人も恋人もいない。

自分自身半年たったら辞めて海外に行かなきゃ気が済まないんだと。

どこに行きたいわけでもない、どこかに行かなきゃ気が済まない。

彼女は徹底的に職場の人と関わらない選択をしていたけど、

それはつまりその場所を自分の居場所と思いたくなかったんだと思う。

10代20代がゴロゴロいるバイト先でアラフォーの女というポジションにいたくない

大したことない会社で正社員やってる同世代たちから足りない人と思われたくない

どこにも属さないから、そこで勝負をしていないから”負けはない”

そう言う生き方を「選んで」いた。

いま彼女はどうしているんだろう。コロナで海外には渡航できなくなった今。

 

生き方を決めて同じことを繰り返す時期が30代だ。

私ももう生き方は決まってしまっている。

ここから放り投げたところで宇宙飛行士にも総理大臣にもなれない。

私が欲しい自由はこういう種類の自由で、それは多分高校生くらいまでしか見れない夢なんだと思う。

世紀の大金持ちになったZOZOの前澤さんはその絶対越えられないはずの人生のルートをお金の力で壊して、他のルート…宇宙飛行士の夢にも割込みするというモラトリアムを成し遂げた人なわけであるが、それも…「お金持ちが道楽で得た道」であり、

「一つの事に邁進して辿り着いた人生」ではない。

 

子供のように「宇宙に焦れて想像を膨らまし、宇宙飛行士になりたいと願い、宇宙飛行士になる道中で出会う沢山の人や友達恋人、高め合う仲間たちと一緒にしかみられない景色」が欲しい

更に科学が発達して、若返り技術が生まれたとしても

記憶を消して最初からすべて新鮮な世界を楽しむことが出来るのか

出来たとして記憶を消した後の自分はそれはそのことに価値があると気付けるのか?

それなら強くてニューゲームを楽しむのが良いのか、でもそれだと初めての感動は味わえないわけだしなあ…

とくだらないことを考えてしまう。

世界の価値観や化学は進み続けるのかと思ったら

アメリカが中絶を違法とするなど意外なところで後退してみせたり

コロナで世界は誰も予想しなかった方向に進んだりもして、必ずしも未来は良い物になっていくとは言えないんだなと30にして実感してしまった。

 

未来に希望が持てないから、過去に戻りたい。

 

でも過去からやり直したいわけでもない。

私の人生は偶然の出会いの連続で今に至っていて、やり直したくはない。

 

こんな日記を書いたのは友人男性から病気をきっかけに東京を去って地元に戻ることを決めたと連絡が来たからだ。

病気したから働けない。婚活も考えたが病気が原因で低収入だし相手が見つからないので地元に帰ると。

彼が最初に入院した時、私はお見舞いに行った。

会うこと自体久しぶりだったし数分は楽しく会話が出来たんだけど

途中から久しぶりの友人にぶつけるにはあまりにも重たい負の感情をぶつけられ

帰り際に「次は○○持ってこい、次いつ来るかちゃんと言え」などと

それは彼女やお嫁さんに言ったとしてもモラハラアウトじゃない?って感じの言葉をぶつけられたのでそのままFOした。

病気だから、こんなに若くして自分だけ不幸だから、元気に動けている私に対して

「そのくらいやってくれてもいいだろう」と誰でもいいから女に甘えたい気分だったんだろうけど、彼が病気になったことと、単なる友人でしかも疎遠気味だった私が彼に尽くさなければいけない事はリンクしない。

彼は若い頃とてもよくモテていた。学生時代誰より早く彼女が出来たのも彼だった。

20代の頃の彼は夢を追いかけていて、そちらの都合で仕事を転々と辞めていた。

夢を諦めて就職した矢先病気になって、結局また仕事はやめてしまったそうで

彼の中で通算三年以上同じ職場にいたことはないとその時聞いた。

そりゃ婚活では無理だろう。20代のうちに付き合っていた彼女の中の誰かと真剣に続けていれば30になって孤独に震えて誰彼構わず縋りつこうとして、うまくいかずフラストレーションを抱えることもなかったんだろうに

 

10年前の彼は自信と希望に満ち溢れて、多少オラついた言葉もそういうキャラとして許されていた。あの頃の彼は今思えば可愛かった。イキがってる若者そのもので…

彼女にだけDVするモラハラ予備軍の気質は既にあったのかもしれないけど、ただの友人の立場の私にはそれは分からなかった。

だから私の目から見たあの頃の彼は、単にイキってるよくいる若者だった。

 

あの頃はよかったな

 

真実を知れば知るほど、夢って失われていくよな