morisankunの日記

アラサー。

コムドットと東海オンエア

仕事先で最近の流行りってなんだろう?と言う話題になった時に

今年ひたすら名前が挙がったコムドットの動画を見るようになった。

 

東海オンエアが好きで長年見ていた自分としては

コムドットの台頭は初めてがっつりと「世代交代」を感じた瞬間だった。

自分たちとは違う空気を持った年下が活躍している。

私ってもう若者じゃないんだなあ…と、彼らを見てそう突き付けられた。

勿論若者じゃなくなっても人生は続いて行くし、社会人として時代について行く努力をこれからも続けていくけれど

 

コムドットは東京都出身の男性5人組。

地元のノリを全国に届けると言うスローガンで活動している部分も東海オンエアとコムドットは似ているが、東海オンエアは個性と汚さと面白さを売りにしていたのに対してコムドットは小綺麗さとファッションセンスの良さを売りにしているように感じる。

この部分に平成と令和の溝をメチャクチャ感じた。

どちらも平成生まれなんだけど東海オンエアは昭和に近い、まだテレビが元気だった時代に青春を送った28~29歳で、コムドットは完全にスマホ時代に青春を送った23歳…ここの5年があまりにも大きい。

 

何組かのユーチューバーを日替わりで見ていると東海オンエアの面白さは頭一つ抜けてるなと感じる。それは自分が東海世代で彼らのネタの背景や文脈を知り尽くしており、

彼らがアウトプットしたものを自然体そのまま楽しめるということもあるがテレビですらさほど予算をかけず、年寄り向けの微妙な番組が増えている今の時代に、東海オンエアはほぼ毎日動画をUPし続けていてそのどれもがなかなか凝った企画をしているのは贔屓目なしに事実だ。

ただ割と東海オンエアは男尊女卑なグループでもある。

「女には面白いものが分からない」という昭和文化を結構モロに引き継いでいて、そこが今の時代に足を引っ張ってるなとも感じる。

同世代の自分ですら「それはちょっと…」と感じる上の世代の良くない文化を彼らはそのまま飲み込んでしまっている。

誰だったか、2018年が価値観のターニングポイントだったと言った芸人がいた。

私もそれには同意する。

2018年までは「女に笑いは分からない」と言う発言をする芸人がいた場合

表向きは男女差別は良くないぞと言いつつも本音のところは「その通りだ」「男の笑いが取れてこそ本物」「○○くん可愛いとかいう女ファンは害悪」というのがお笑いを取り巻く人間たちの共通認識で、そういう意見はあって当然だと許されていた。

今そんな発言したら大問題だ。

本音とか関係ない、ダメな物はダメ。犯罪がダメなのと同じで許されてない。グレーゾーンではなく、アウトになった。

 

東海オンエアはリアコ(東海オンエアのメンバーを面白いからとかじゃなく理想の男性、恋愛対象として好きになっているファン)嫌いを宣言していた。

アイドルじゃないのだから、と言うのが理由だが、平成のお笑い文化の影響を強く受けていた彼等もまた、男にウケてこそ本物だと信じていたし男社会での勝者を目指していたように見える。

ただ2018年以降、性別にまつわる発言はかなり難しくなった。

 

東海オンエアのファンは元々同世代の男性が多く、同世代男性ウケを狙うがあまり男媚びが強いというか、男の結束を高めるために女をダシにする、バカにするという形式のネタも数多くあった。

いざイベントやグッズにお金を落とすのは女性ファンだったわけだが私たちの世代は「女には面白さがわからない」と演者に突き放されても「私は笑いが分かる女です」と必死について行くしかなかった。世の中全体がそうだったから、自分も男性に交じってエンターテイメントを楽しむためには、何なら他の女を背後から撃って、私は違いが分かります、女がバカなのもわかる男性側です、名誉男性ですと言う女までいた。

 

今は違う。

 

コムドットのリーダーやまとには妹がふたりいる。

あーなるほど、と思った。コムドットは頻繁に炎上する。それほど品行方正なグループではなく、年齢相応に脇が甘く隙だらけの若者たちだ。なのに女性に関しての失言が少ないのは、周囲に女子がいるのが普通、女の子の目を気にするのが当たり前の環境で生きて来たからなんだろう。

コムドットメンバーは顔の良さも売りにしているが、男人気じゃなく女人気の出やすいジャニーズ系のやまと&ゆうた、雰囲気イケメン(と言うのは失礼だが)あむぎり、地味に顔が整っている大穴ゆうま、陰キャが見たら目が潰れそうな勢いの陽キャモテ枠ひゅうが…と全員がオシャレでちやほやされて楽に生きているように見えて…そういう感じがあんまり人に可愛がられることなく苦労して生きてきて中途半端なまま大人になった中年に嫌われる。なんか損なタイプに感じる。

東海オンエアが男人気を狙って「東海は男の笑い、実力者」みたいな日本人の大半を占める昭和生まれが大好きなイメージ戦略で上っていったのとは対極で、コムドットは見た目に垢ぬけて洗練させていくアイドル方向でそれゆえに「ミーハー人気」とやっかむ声も多い。

コムドットは炎上常習犯の割に動画に毒がなく、たまに出てくる妹のことはみんなで大事にしている。性別で人を下げない空気は出来上がっている。

そういえばしばゆーもその手の古い男尊女卑発言は少ない。セクハラ発言とクズ発言は多いが女性ががっかりする系統の発言は少ない。

それは彼が妻帯者だからなのかもしれない(不倫騒動とか出てはいたけど)

 

東海オンエアのリーダーてつやは、現在元AKB峯岸みなみちゃんと真剣交際中だそうだ。

数年前までてつやはガールズバーに通いまくって、週4で違う女と寝ていたりととにかく若いうちに可能な限り女遊びをしつくして、将来は遊びをやりつくしたからこそ落ち着いた大人になりたいのだと言っていた。正直そんな遊び方をしても女なんて分からない。

「女なんてみんな一緒だ」そりゃそんな遊び方に引っかかって来る子の個性は似たり寄ったりだろう。

既に女性蔑視系発言はてつやの口から最近聞かないが、アイドルを目指してAKBと言う一時代を作ったグループに飛び込んで夢に向かって邁進していた女の子と真剣に付き合ったら「女なんてみんな一緒」とは流石に言えないだろう。

男媚びからくる女叩きが減ったてつやのことを男性視聴者はどう思っているかというと、多分そこはどうでもいいと感じている人がほとんどなんじゃないかと思う。

同性の友達のことは最初から個人として認識できるのに、異性になった瞬間性別のベールですべてを覆いつくしてその下の素顔をのぞけなくなる人は多い。

しかし女性と言う不特定多数を叩くことだけが東海オンエアの笑いではないし

そこだけで笑ってる奴はよっぽどヤバい。女叩き系Vチューブチャンネル見て喜んでそう。

 

浮気することで有名だったゆめまるは結婚して娘が出来た。

一足先に結婚して女叩きトークになると存在感を消していたしばゆー同様…いやそれ以上に娘持ちのパパになってしまうと独身時代のように女の子を自分とは違う生き物として突き放してサゲる発言はしにくくなっていくだろう。自分がどこかの女の子に向けた切っ先はいつか自分の娘に突き刺さると気付くから。

としみつにも彼女がいるらしく、彼からもここのところ女性差別的な発言は聞かなくなっている。

女の子に優しくしたら「女に媚びやがって、つまんねえ男だ」と言うのは古い価値観だなと感じる。

小学校教師をしている友人がいるが今は男子も女子もみんな仲が良いそうだ。

新世代の男の子は非モテ男モテが武器にならない。スマートに、ごく普通に女子と付き合える方が評価される。その方が良いだろう。人類の半分は女だ。意味もなく半分の人間を敵に回すなんて効率が悪い。

 

虫眼鏡とりょうは特にメンバー愛と選民意識が強い…と言うか隠そうとしない。それは動画で見ていてもひしひしと感じる。ここまで一緒に成りあがってきた最高の友達だからそう思って当然だ

だがこの二人からは多少行きすぎた男グループへの固執のようなものも感じる。

若い時はそれが可愛かった。だがおじさんになってそのバリアを張られると、はぁ…ご自由にどうぞとしか言いようがなくなる。排他的おじさんに興味を持つ人間は少ないからだ。

 

2021年はコムドットの年だった。度々炎上しながらも大躍進を果たしたコムドットの人気を東海オンエアが気にしてないはずはないだろう。

登録者数1000万を超える苦労はヒカキンとはじめしゃちょーが何度もつぶやいていた。

日本を中心に活動していて、登録者100万人は簡単に超える土壌が出来てきたが

それ以上となると厳しい。

東海オンエアの登録者数は600万人。再生数も安定して100万を超えていて、人気は維持できているように見えるが登録者以外の再生がほとんどなく今のファンが飽きたらそのまま減って行くと言う停滞ゾーンに入ってしまっているらしい。

最近の東海オンエアは令和の女子高生に人気がないから、女子人気も取りたいと言っていた。冗談めかしてオチを作っていたがこれは結構ガチな問題だなと思う。

コンテンツは新規客を常に取り入れて循環させていかないと滅びの一途だ。

昔は女子高生人気そのものを遠ざけようとしていたが、流石に客を選びきれなくなったのだろう。単純に彼らも「おじさん」になってしまった自分たちに気付いて謙虚さを持つようになったのかもしれないけれど。

 

コムドットの存在は私たちアラサーに「そろそろ私たちも尊敬される大人にならないといけないな」と気付かせてくれる。

若くてがむしゃらで失礼で、可愛い。そのポジションはもう次の世代の子たちのものだ

私たちも流されるままではなくしっかりと次の居場所に泳ぎ着かねば。