morisankunの日記

アラサー。

JK絵師の価値

「オタクは色んな年齢の友達がいる」

これは私が10代だった頃もそうだったし30代に突入した今も同じ。

10代のオタクは20代のオシャレなお姉さんオタクに憧れたり、40代のお母さんオタクに甘やかしてもらって末っ子ポジションで可愛がられつつも「一番将来性がある子、才能のある子」としてデカい顔が出来る。

そうなりたいと思って付き合っているわけじゃないけど、色んな年齢の人たちと接するうちにそういうポジションに収まりがち。

 

それは今の10代の子もやっぱり同じなんだなと思った。

 

10代の腐女子、A子の悩み相談に乗った。と言ってもそこまで深刻な物じゃなくて深夜の病みツイ、愚痴みたいなものだったけど

私も10代の頃、お姉さん腐女子に愚痴を吐いて慰めて貰ったことがある。

あーあれから10余年か…あのお姉さん今どこで何してるだろう。

 

A子は10代とは思えないほど上手い絵師で、それなりにフォロワーもいる。

でも彼女自身、自分の価値は「10代だから、若いから評価されているだけで、これが20代30代の絵なら凡庸で見向きもされないだろう」と察している。

確かに、彼女は”10代には見えないほど上手いけれど、10代絵師であるという付加価値がなければ割とどこにでも同じくらい描ける人はいるレベルの”絵師だ。

冷静な判断だと思う。多分10年後もそんなに伸びないだろうというのが彼女にも私にも何となくは分かる。

既に完成してるんだよね。

絵を本気で勉強して自分で自分の絵を描いている人の絵じゃなくて、アニメを見て描いたアニメ絵、「誰かの絵の模倣」止まりの絵師…それが今の彼女だ。

 

 

今完成してる絵を一度崩して再出発すれば伸びしろはきっとあると思うんだけど

彼女自身にその熱量がなくて高校を卒業したら絵を描くのはやめようかな…と言っている。

そして大学卒業したら死にたい、と。

要するに大人になりたくないわけだ。

アニメの絵を見ながら描いて、上手ね、天才だねって大人に褒められたい。だけ。

自分で努力して何かを生み出して、それを評価されたいわけじゃない。

 

こういうオタクは今までたくさん見てきた。

私もそうだったし私の友達にもそういう人はいた。

 

 

結論から言うと彼女は死なないしオタクも辞めないと思う。

このタイプの人はズルズルとオタク趣味にしがみついてしまう。人生から逃げてるだけだからどこにも行けず何にもなれずに同じ場所にい続けてしまう。

 

若さにしか価値がないっていう人は、ものすごく自分に自信がない上に、自分で「良い」「悪い」「好き」「嫌い」も決められない空っぽの人だ。

どういう服がかっこよくて、どういう職業がかっこよくて、どういう大人がかっこいいか、自分では分からない。判断できない、決められない。考えようともしない。

 

物知らずで何も他の判断材料を持ち合わせないからとりあえず目に見えている若さと言うルールだけにしがみつく。

自分が若いうちは特にそのルールは自分に有利に働くから存分にその価値観に染まってしまう。何もしなくても若い自分が強い、そんな気楽なことはない。

 

高校の同級生だった友人B子も「若いうちなら許される」「若いうちしか楽しめない」が口癖のようなオタクだった。

「長生きしたくない、30歳で死にたい」、というのもよく言っていた。

若さ=最強と言うルールだけを採用して人生を生きると

29歳以降の人生は負け確になる。

それを徹底して生きるならそれも別にいいのかもしれない

若いうちにしか価値がないと割り切って、若いうちだけを楽しんで

30歳からは惰性で生きることを受け入れて本当に苦しまないのなら。

 

30歳で死にたいと言っていた友達で今のところ死んだ人はいない。

ジサツって難しいと思う。生きることへの強い執着がないからと言って

死ぬことに執着することがイコールになるかと言うとそれとこれとは別なので。

B子も結果として30を超えた今も死んでいないけれど今度は40歳にはなりたくないと言っている

 

ただの現実逃避なんだよな…結局。

 

今10代のA子も、かつて10代だったB子も。私も。

 

私とB子が26歳の時に共通の友人C子が結婚した。C子は高校の同級生のC男と結婚したから結婚式はプチ同窓会になって、オタク友達以外の友達と久しぶりに盛り上がった。

 

交流が途絶えていた同級生のD子、E子、F子と連絡先を交換して後日改めて食事に行ったとき「B子と仲良くしてるのなら、いい加減B子に注意してあげなよ」と私が代わりに釘を刺された。

B子がC子の結婚式の最中にも隠れてツイッターをしていたこと

B子のファッションが10代の子向けでいい加減注意してあげないと恥ずかしいということだった

 

正直ツイッターはまあ…B子と遊びに行った時も目の前にいる自分との会話よりも

ツイッター見てる時間が長いのでは?と思うくらい目の前で起きたことをフォロワーに報告するから前から気になってはいた。

服装に関しては余計なお世話だと思った。別にその場にいたD子たちも特別イケてる見た目をしていない。

結局その日はB子の話はそのくらいで、D子たちはC子に続くために婚活に力を入れていて、そういう話で盛り上がった。私は転職したばかりで当面そういう話は縁がないと伝えて聞き役に回ったけれど私がB子の件を含めてD子たち側に付かないという空気はハッキリしたからそれ以降その子たちと会うこともなくなった。

結局自然に切れていた縁が、C子の結婚式という同窓会で一瞬温まったけれど改めて賞味期限切れが浮き彫りになっただけのような感じだった。

 

 

B子もD子もみんな年齢に踊らされているという点ではあんまり変わらなくて

流石同じ高校出身だな…とうすら寒くなった。

 

若さにしか価値がないという価値観は怖い。今の日本人はどうあがいても80歳近くまで生きるのに、30歳以降は無価値だと切り捨てると先が長い。

仮に30歳が平均寿命なら、10代にしか価値がないって言いきって、20代は惰性で30にコロッと死んで「若いだけの人生」で終われたかもしれないけどね…

 

10代のA子は10代の時にA子と似たことを言っていてそのまま30歳になったB子のことは知らない。

A子がB子と同じ人生のコースを走る確率は今のところ7割だと思う。

途中で人生を変えるほどの出会いがまだ10代にはあるかもしれないから

そうなってくれたらいいなって思うけど

オタクは頑固だから、自分を変えようとしないから

出会いを自分から拒絶して、このコースに居残ってしまう確率がそれなりに高いんだよな…と「30歳で死にたい」というA子を見て

(今30歳の私、立つ瀬ないな~)と思ったのだった。

 

「30歳の方が絶対に楽しい」という嘘は付かない。

「30歳もまあまあ楽しい。死ぬほどしんどいってわけじゃない」

「思い出はいつもきれいなので10代がきらめいて見えるのは本当」

「でも過去を忘れるくらい楽しい日もあるのも本当」

 

 

B子も、40歳までには死にたいって言ってるけど

それってひっくり返すともう少し生きてみてもいいってことだと思う

 

まあそんなもんなんだよね

若さがなくなったらどうするの?

大人腐女子にご意見ブログを書いたりするのが流行ってる…というわけでもなく

アラサーはもともとブログ文化の直撃を受けたから何か考えたり吐き出したいときにはブログを選択する人が多いというだけだと思う。

私も漏れなくその口なんだけど。

 

知人にもうすぐ三十代後半に突入する腐女子がいる。

彼女の悩みはとにかく「もう若くないこと」だ。

彼女…仮にAとするけどAは別に若さを武器にして男を手玉に取ってきたタイプではない。むしろ知る限り交際経験はゼロでとにかく同人文化の中で生きてきた人である。

 

20代でオタク活動を満喫する一番手っ取り早い方法は定職に就かないこと。

以前「腐女子カースト」なんてタイトルで実質ほとんど腐女子関係ないただのルッキズム女のマウント本だったエッセイ漫画が炎上したが

実際の腐女子・オタクのカーストは「狂った者勝ち」みたいなところがある。

オタク活動は宗教活動と似ていて(というと語弊があるが)推しだけを信じ、推し活にどのくらい狂えたか、どのくらい他の生活は捨てたか、どのくらい課金したかという廃人自慢で”強さ”が決まる。

 社会人はお金はあるけど休みが取りにくいのと年々体力気力が衰えるから大体就職から3年目くらいを目途にパラパラとみんな脱オタしたり、ぬるオタ化していくんだけどそこでオタクを離脱せずに仕事の方を辞める人が一定数いて、Aもそのくちだった。

やりたいことが見つからないからとりあえず派遣で、契約社員で、バイトで…そうやって転職の限界と言われる30歳を過ぎていった。

  

腐女子の多くは「推しのことしか考えない、現実なんてゴミ!推しに狂ってる私たちクレイジー!最高!という意識を持っていてそれが時々取り返しのつかない方向に腐女子を導いていく。

Aはオタク友達と遊ぶのが一番楽しいと言って週末ごとに誰かの家に泊まりに行ったり、海外旅行にもよく行っていた。

親に早く結婚しろと言われてキレたり、兄妹に年相応の落ち着いた服を着ろと言われてキレたり。色んなものと戦っていたけど基本的には良い人だった。

Aは「自分には恋愛が必要なく、友達がいて趣味があれば人生が楽しい。そういう人間だから口出ししないで欲しい」と自分の幸せを証明するかのように全力で独身生活を楽しんでいた。

よく友達が結婚したら人生ステージの違いにより疎遠になるという人がいるが

Aの周囲の人は結婚して出産した人でも赤ちゃんの面倒を見ながら遊べるように子持ちの人の家に集合してDVDの鑑賞会をしたり、無理のない範囲で関係を続けているようで理想的な高齢オタク界隈と言えた。

変化が起きたのはAが旬ジャンルにハマって新垢を作ったあたりからだ。

  

  オタクの中には年上のオタクを「いい年して恥ずかしい」と笑うオタクもいる。

Aが今好きなジャンルは特に学生が多いから、そこで年齢差別を受けたようだった。

期間限定と言って作っていた新垢に鍵をかけ、自分に嫌がらせをした人をあぶりだそうとしばらく色々やっていた様子だったが結局アカウントを削除して前ジャンルのアカウントに戻ってきた。

やっぱりこのアカウントが一番落ち着く、と言った彼女に何人かのフォロワーはお疲れ様のリプを飛ばしていた。また食事にでも行きましょうと私もリプライを送った。

 

私が彼女と最後に食事に行ったのは多分5年くらい前、前々ジャンルの作品の舞台が公演されていたころで、別の友人を介して彼女と舞台後のオフで会うようになったのが縁だった。

ここ最近特別親しい付き合いはしていなかったから、食事に行きましょうね、は実現する可能性は低い社交辞令だったけど直前に私たちが一緒に過ごしたジャンルの話もしていたから懐かしくなって話しかけた。

向こうからも社交辞令が返ってくるかと思ったら、意外と重い球が返ってきた。

 

「私たちもうババアだしね」「ほんと虚無」「何も楽しめない」と…。

Aがひどい目に遭ったという学生だらけのジャンルに比べたらこっちのアカウントは平均年齢28、9歳くらいでババア腐女子の巣窟だけど、だからと言って虚無ってこともなく…

何も楽しくないよね?というように同意を求められても困る。

若さがなくなることがつらい気持ちは私にもわかる。誰だって老いるのは嫌だし。

私も22、3歳の時の自分の容姿や環境でお気楽にオタクを続けられるならそうしたい。

でも自分がアラサーになったからと言って特別つらいかと聞かれると

特別はつらくない。

ババア”だからこそ”特別にツライことってそんなにない。

人生はいつでも地味にしんどいし、腐女子は10代だろうが30代だろうが生活環境はほとんど変わらないし、お色気コスプレイヤー以外は女同士でつるんでるから若さが特別有利になることもない。

年齢差がありすぎる人とは仲良くなれないこともあるが元々腐女子は大勢と無条件で仲良くなれることの方が少ない。

若い方が色々選択肢と可能性が残っているという点では抜群に良いんだけど、

…そもそももうババアだから諦めなきゃみたいな言葉はAが一番嫌っているものではなかっただろうか?そういうものと戦っていたはずだ。

だからAの卑屈な言葉にみんなただ普通に困った。

その後Aが妹のように可愛がっていたお気に入りの腐女子の婚約が決まってますますAはメンタルが不安定になって行った。

Aの妹分だったBは25歳だから、確かにもう決めちゃうんだ?早いな~!と聞いた瞬間は驚いたけどコロナが少し落ち着くまで式も挙げられないし様子も見たいし貯金もしたいから結婚自体は1~2年後を考えていると言っていて、なるほど、27歳で結婚した子たちはこういう準備をしていたのかと自分の同級生の第一時結婚ラッシュの裏側を見た気がした。計画的で素晴らしい。

だけどAは違ったみたいだ。

Bの婚約から明らかに焦っていて、寂しがり方が尋常じゃなかった。

そこからAは元彼に連絡したらもう結婚してたとか(そりゃ三十代半ばの人の元彼なら相手もアラフォーくらいだろうし…)そんなよくみるまとめブログみたいなことをしては凹んでいて

気の毒ではあったけどかける言葉は見つからなかった。

今更25歳の人と同じ足並みに合わせようとしても無理がある。

 

人は変わる。独身でずっとオタ活をして楽しむと言っていたAは

心のどこかで結婚を考えていた…というよりは、バイト暮らしで一人で生きていくという現実を直視しきれず、覚悟が出来ていなかったんだと思う。

ずっと見ないふりをして、自分には関係ないと遠ざけて

でも新ジャンルで出会ったばかりであまりよくお互いを知らないであろう学生のオタクに「オバサンなのに恥ずかしいと思わないの?」といった内容の指摘をされたこと…

知らない人だからこそ吐けた超客観的な意見にAは参ってしまったのだろう。

 

最近ではAは自分は大人になれない、現実逃避をしていると時折夜中に呟いているけれどそれは本当にそうなんだろうなとは思った。

Aは大人として趣味を楽しんだり、大人としての自分の立場を明確にしたくて戦っていたのではなくて、

あくまで子供のままでいたい、その一環として趣味にしがみついてしまっていたんだろう。

仕事と趣味と恋愛と結婚と…そういう大人のステージでどうバランスをとって生きていくか?とみんなが悩むところをすべて「わたし子供だから知らないもん。恋愛もまだ早いもん」で癇癪を起していたにすぎなかった。

時間は平等に流れて、年齢は重ねていくからいくら「大人になりたくない」と拒絶したところで、、世間は子ども扱いをもうしてくれないし

自分で心の整理をしないと、意地を張ってもお母さんが代わりに片付けてはくれない。

 

働かなくても一生食べられる大富豪なんかは子供のような目をしていたりする

(逆に何だか子供特有の残虐性みたいなものがにじみ出て怖い人もいる)

Aももし大富豪の娘に生まれていたら、「子供のままでいたい」という夢はお金の力で叶っていたかもしれない。

お手伝いさんに全部任せて、お金は専門家に管理してもらって、自分は好きなことをして生きる。

いいなあそれ、私もそうなりたい。そうなれないからある程度現実と向き合って

現実を良くしていくしか、絶望せずにいられる方法がない。

人生って平等じゃないなあと改めて…

 

 

 

 

 

それはヤリ目男だよ

クリスマス前からバレンタインくらいまでの間って一番人肌恋しい時期のような気がする。昔はひと夏の恋って言葉があったけど今はひと冬の恋って感じ。

 

去年はコロナでほとんどお出かけもできなかったのは日本国民に限らず世界共通の悩みだったかと思うけど

年末カフェで「久しぶりに会った女子大生同士」の会話を聞いて思わず突っ込みそうになってしまったのでここにはき出し。

 

ヤリ目男に狙われた非モテ女子の悲しい一部始終というか思考回路がひしひし伝わってきて何とも言えない気持ちになった…

 

Aちゃんは眼鏡をかけた非モテ…会話内容的に彼氏ができたこともなければ男友達も少ない女子大生。人生初の合コンに参加して、そこから一人の男に言い寄られているという惚気っぽい感じで切り出していたんだけどその内容がちょっと…かなり残念だったんだよね。

 

 

 

目の前で相談を持ち掛けられているBちゃんもアチャー…というテンションで「あっ…それは…」みたいな生返事。なんだけどAちゃんはイマイチそれには気付いていないというか「気付きたくない」というのが前面に出ていて相談されてる女子はもう黙って聞くしかできない。

内容は

・合コンに参加したけどその場では何もなかったAちゃん

・一番人気Cちゃんに男が殺到し「彼」もCちゃん狙いだった

・Cちゃんは「彼」を全く相手にしなかった

・「彼」は合コン解散後にターゲットをAちゃんに変えてきた

(多分皆に同じ内容送って反応あったAちゃんに狙いを定めた)

・一回しか会ってないのにクリスマス近くのデートに誘われた

・「彼」はAちゃんが今まで言い寄られた中で一番カッコいい

・言い寄られて嫌な気がしない男は初めて

・だけどCちゃんは「彼」はイマイチだと言った

・イマイチなのかな?

・「彼」って私の事好きだと思う?

 

もうすっかりAちゃんが「彼」に夢中なんだけど本人はそれを認めていない。

恋愛経験が少ないAちゃんだからこそモテるCちゃんが相手にしなかった男…というのは引っかかる。「彼」のCちゃんから自分への手のひら返しの速さにも引っかかる。他にもいろいろ引っかかる点はある…でもAちゃんの人生で一番カッコいい男に言い寄られているので逃がしたくない。友達からのお墨付きがどうしても欲しい…という…話。

悲しい。多分Aちゃんも薄々その男が「女なら誰でもいい男」って気付いている。

身内の中で信用度が高いCちゃんがその「彼」には全く愛想良くしなかったらしいというところからも、割とイマイチな男なんだろうな…というのが私にもBちゃんにも察せられた。

まず間違いなくその彼とクリスマス付近のデートに行くとAちゃんはあれよあれよと連れ込まれて食われるし、食われた後は雑に扱われてセフレ状態になると思う。そういう女は今まで何人も見てきた。

女の敵は女って言葉は便利なんだけど、本当にいい男は頭の回る女が必ずキープするし少なくとも友達くらいにはなっておくから、Cちゃん始め他の女子が全く相手にしなかった「彼」は地雷率が非常に高い。

 

そしてババをひく恋愛弱者のAちゃんたちは「自分はそこそこいけてる男と恋愛出来てる勝ち組である」と固執していって…病む。

実際には彼には大事にしてもらえないし、女子同士で友情を深めあうグループからも外れてしまうから、他人と自分を比べて病んでしまう。

 

今大学生なら多分社会人一年目には別れが来るし、そこで上手く乗り換えられたら次は結婚に結び付くような誠実な相手とも恋愛が出来ると思うけど

そこで拗らせると大変なことになるのでAちゃんに幸あれと思わずにいられなかった。

 

舞い上がってる時に友達に相談して、友達から微妙な反応が返ってくると

「嫉妬かな?」って思う女子多いと思うけどよく考えてほしい。

どうしてその友達に相談しようと思った?今までその友達は他人の恋愛話に嫉妬しまくって足を引っ張ろうとするような嫌な子だった?多分違うよね。普通に話を聞いてくれる「いい奴」だから真っ先にその子に相談しようと思ったよね?

 

そりゃたまには、仲良いのを通り越して女同士の独占欲じみた友情が生まれていて恋人を作ろうとする友達の妨害をしたがる人もいるにはいる

突然そういう風に変わってしまう人もいる。だけど自分がそれまで付き合ってきた友達は基本的には大事にした方がいい。

友達は自分が厳選してきた自分と価値観が近い人たちだから、

友達のリアクションは客観的に話を聞いた時の自分のリアクションと同じ。

ポッと出の男よりよっぽど信用できる。

友達が「良かったじゃん」って言ってくれたときには割と幸せになれる男。

友達が「ええー…?」って言ったときには少なくとも友達は付き合いたくないと判断した男。

 

アラサーになる頃には仲のいい友達とは言えお互いの収入も、親の健康状態も、住む場所も結構変わっているので友達の評価が必ずしも自分にとって役に立つとは限らなくなってるんだけどね。

嫉妬も焦りもアラサーは生まれやすいから。

そのころには人の意見を鵜呑みにせずに自分で判断できるようになっていた方が良いけど

でも友達は大事にした方がいいよ

 

「彼氏がいない女(もしくは彼氏がいても愛されてない女)の嫉妬だわ」と切り捨てるのが一番…後から恥ずかしいから

 

 

まだ出会ってないだけ、以外の言葉で

fortune.line.me

 

恋愛相談ブログって結構あちこちであるんだけど

いい年して恋人がいないという悩みを持つ女性が必ず言われるのが

「そのうち出会う」「まだ出会ってないだけ」と言う慰め、励まし。

 

たまたま目にした上の作家さんのブログでもやっぱりこのフレーズが出て来て

ああ…と思ったんだけど

独身女性にとって「まだ出会えてないだけよ」って実はあんまり励ましにならないと思う。

あ、10代の間は別。10代は彼氏がいなくても

「中学・高校で彼氏作るのは早いよ」と社会が貞操を守る女子を後押しするし、

親も学校も高校生の間まではバイト禁止で門限19時なんて彼氏作りようがない環境を強いてくる家庭も珍しくはないんじゃないでしょうか。

恋人がいない自分=世間様に恥じない自分でいられるから自己肯定感も下がらないし

いつか王子様が~という夢、高校生くらいまでは見てても良いと思う

 

真剣に考え始めた方がいいのは18歳以上。いろんなことがそろそろ自己責任になってくる年齢。

大学生になっても過保護な親だと、娘が化粧をしたり流行りの服を着たりするのを「色気づいてる」とか「流行に左右されるのは軽薄でバカっぽい」と嫌な目で見たり、それとなく我が子がフットワークの軽い女の子と友達になったり、男と出会うのを阻止したがる雰囲気を出したりして、

「真面目でお利口」な女の子ほどそういう親の嫌悪をモロに受け止めてしまって彼氏を本気でほしがらなくなるし「私たち彼氏いない女子でーすw彼氏募集中~将来は玉の輿に乗って~ハーフで美形の子供産みたいな~??」なんて適当な言って同性友達同士モテない女子ワールドを楽しむのが良かったりもする。

でも社会人になった途端そういう子たちも気付くわけです。

「あっ…案外みんな大学で彼氏できてる…誰ともちゃんと付き合った事がない23歳の自分って遅れてる!?ヤバい!!」って。

学生時代、20歳を超えてもなんとなく親の顔色窺って、子供時代の延長で「良い子」していた女子たちは

周囲の女子がもうとっくに親の顔色なんて窺わず自分の意志で自分の人生を歩み始めてる事に気付く、そして焦る。

それはかなり深刻な発達の悩みなので、軽く流してあげるべきではないと思う。

23歳の女子は大人の女から見たらまだ全然若いし

「彼氏がいなくて…」と悩む女の子なんかいたら「まだ出会えてないだけよ」って100%言う。ほんと軽率に言う。かわいい悩みだな~♡くらいのノリで言う。

実際ほとんどの女性は23歳の頃付き合ってた相手じゃなくて、そのあと出会った人と結婚するからそれは正しくもあるんだけど、ただ多くの女性が思う

「30歳までには結婚したいな」を叶えている女性は23歳までの間に恋愛経験一回くらいはあったりする。ほんと。恋愛経験23歳時点でゼロの子だと20代のうちに結婚するのって結構難しいからのんきに「そのうち出会うよ♡」とか言ってる場合じゃないと思うしその適当な慰めで彼女らの悩みをぶった切って終了させてしまうから彼氏ができない23歳女子は何となくもやもやと悩み続ける羽目になる。

 

 

 

恋愛経験って一言で言うけど①「踏み出す」②「選ぶ」➂「付き合う決定をする」④「相手を知る」➄「自分を知る」⑥「自分と相手の相性で良い関係性が続くか考える」➆「関係を清算する」⑧「別れた後の対処」とまあこれだけのことは、学べるかどうかはさておき経験するわけで

一回でも付き合った事がある子は①勇気を出して新しい人間関係に挑戦②自分から相手を選ぶのか相手に選んでもらって応じるのか経験してみて自分に適した方を選ぶ➂実際に相手とすり合わせを始める④相手の求めるもの、本音建前、性格を知る➄それに照らし合わせて自分が本当はどういう人を求めているのか、自分はどういう人間なのか考える⑥変に尽くしすぎたり逆にわがまま放題したり束縛したり「理想の恋愛」を「相手に押し付け」て、DVになっちゃったり変な関係になるカップルが割といるので自然なまま無理せず付き合いが続けられるか吟味➆無理なら別れて次を探すという決断をする…と上手くいかなかった恋愛からでもこれだけ経験値はもってるので

まったく23歳まで誰とも付き合ったことない子が、30歳までにこれらを経験してちゃんと自分に合った相手を選べるか、というと結構マジになって出会いを探さないといけない。「いつか出会えるわよ~、まだ出会ってないだけ」じゃない。

「踏み出す勇気が足りてない」「素敵な人はいたかも知れなかったけど貴方の目では見つけられなかった」「高嶺の花男にばかり無自覚で恋をして無自覚で諦めて来た」「自分の好みを適切に把握していない」「好みの異性がいそうな場所に足を運ぶ努力をしていない」「自分の好きなタイプの男から好かれる女ではないので自分を変えるか、好みの男性の幅を広げる努力がいる」

などなどと言う具体的な問題がある。

 

長らく恋愛をしていない女性の中には家庭環境あるいは育成環境の中で

「女性としてみられること」「女として性的に求められること」に嫌悪感を感じるようになっている人もいる。そりゃ子供の頃から親に色気づくな、女を武器にする女はバカだって極端な感じで育てられた人なら「女」を前面に出すのがもう無理って人も出てくると思う。

そういう人はなぜ自分が女性であることを受け入れられないのか、

あるいはほんとにLGBTQのどれかに該当する人間なのか、はたまたアセクシャルな人間なのかしっかり自分と見つめ合って自分にとっての幸せを探さなければ、ずーーーーっと「恋人ができない、他の人にはできるのに自分にはできない、恥ずかしい、劣っている」

なんて事で悩む羽目になる。そもそも自分と他人は違うんだというところ明確にしないのは不幸の第一歩だと思う。

さらに言うと街コンや婚活って実際結構むずかしい。

恋愛に割と大切な「価値観」っていうのは生まれ育った環境に左右されがちなので

高校・大学みたいな親の経済力、本人の偏差値、選んだ校風=趣味・性格の傾向があらかた一致している前提で数百人の異性と出会うチャンスがある場所で誰とも付き合わなかった人が

街コンとかいう年齢も出身もバラバラの人といきなり出会って恋に落ちれるかと言うと

もう見た目が好みかどうかとかそういうところになってくる。

友達として楽しく会話できても「男性」として、性的な部分でその相手と関われそうにない場合は「私たち、お友達でいましょうね」が正解で、無理に付き合っても後々後悔するだけ。すきでもねー男と寝るなんて苦痛。風俗のお姉さんたちもお金を貰ってやってる事だから、夫婦って言う対等な関係が前提でサービス業の真似事やろうなんて破綻しか待ってない

 

彼氏が出来なくて悩んでいる女子に一番必要なのは「いつか王子様が」なんてぼやけたフレーズのごまかしではなく、具体的に自分と言う人間がどういう人間で何を求めて何が幸せなのかを考えることだと思う。

 

少なくとも自分が彼氏できなくて悩んでた時の私にかけてあげたい言葉は

「今のあなたは他人の作った幸せの形に無理やりハマろうとして目が死んでる。あなたの幸せは何なんだ。そこはっきりしないかぎり一生自分にとってのベストな男を見抜く事なんてできない。彼氏以前の問題」

 

性別で縛るのは本当にナンセンスだと思うけど「異性」を意識しすぎて、「異性」で自分の人生の、これまで他の同性に負けてきた分や不幸だった分を穴埋めしようとする人間って男女問わず結構マジできもい。自分もそうなりかけてた時期があるから

悩んでいる人がその段階にいるとあああ…ってさっする

自分がステップアップするためだけに結婚を考えてる女(高収入ハイスぺ男・もしくは友達に紹介したときに「いいの捕まえたな。幸せ確定じゃん」と羨ましがってもらえる、欠点のない男と結婚することで、自分のランクアップを狙うタイプの婚活女)は同性から見たらあー…はいはい。人生レースで一発逆転したいのね、まあ好きにがんばれば良いけど、その勝負したがるせいかくはウザ過ぎるから友達でいられるのはここまでですね…さよなら…と縁切られがちだし(実際この手のタイプは30近づくにつれて友達がいなくなる)

相手の人間の生活を無視して自分の幸せのために結婚したがる人は一番幸せな結婚からは遠い。他人に媚びろとか尽くせじゃなくて、極端で横暴すぎるんだよね…それ故にまともな人にほど引かれてることに気付いてない。

そして将来が漠然と不安だから誰でも良い、適当に合格って感じの男と結婚したい、と思って相手を探してもピッタリな良い人が見つかるわけない

だって逆の立場ならそんな「僕の不安を解消してくれ、僕をとにかく幸せにしてくれよ」男はお断りが過ぎる。つまり男性から見てもお断りな女に成り下がっている…他人には結構伝わるからねそういうの…。

 どうやったら恋ができるの?は魔法のように恋に落ちるのを待つんじゃなくて

自分の幸せを具体的に洗い出して必要な物を考えてそのうえで出会いの場所に出向いて話をしたら、この人なら…て人を見つけられるかもしれない、と思う

 

 

 

 

普通の人でいいのに

バズってたから読んだ。「普通の人でいいのに」

これがバズるって事はTwitterの平均年齢って相当上がってる?というのがまず第一の感想だけどせっかく主人公と同年代なのでもうちょっと感想を書こうと思う。

 

何と言うか一昔前に流行ったよね。タラれば娘とか独身OLの日常とか。あれに近い。と思ったらこれもモーニングの賞の読み切りか。モーニングってこういう系統好きなの?

 

主人公は田中未日子。通称みこ。33歳独身。

仕事は中小企業の経理(最近転職した)彼氏が出来ず婚活アプリも上手くいかなくて前職の同僚だった好きでもなければ大して気も合わない男に誘われ彼で妥協しようか悩んでいる。

 

みこは「病気の犬」という芸人のファンで彼らがパーソナリティを務める深夜ラジオリスナーであり、愛聴しているラジオの放送作家である”伊藤さん”が常連として訪れるバー・タヒチに暇さえあれば通っていて伊藤さんとの恋が始まらないかなとうっすら期待しているサブカル系。作者曰く「情けない」「詰んでる」女。

文化人が集うバーで、バーテンダーをしているリサさん、常連客である美女で元地下アイドルのマナミちゃん、そして放送作家の伊藤さんと交流できるこの場所こそが素の自分を出せる、自分にふさわしい本当の居場所だと思っているみこは

しょーもない人間に囲まれて会社員として働く自分、憧れの伊藤さんよりも何ランクも下のあまりイケてない男・倉田だけにしか言い寄られない自分の現状に不満を募らせていて…

 

と言うストーリー

 

みこは文化人たちの織り成すキラキラの世界に憧れは持っているけど、同時に普通に生きた方が賢いんだよね?その方が幸せだよね?と常に誰かの目から見た正解を気にしながら生きて来た。

そして憧れの男・伊藤への失恋をきっかけに好きではないが無難なはずの男・倉田と付き合い「普通の女」っぽく扱われる、普通の女をジワジワと強要させられていく事に我慢が出来ずについに爆発する。(みこが自分で普通の男に合わせようとして合わせられなかっただけだから身勝手な爆発ではある)

  

結構バズってたからちょこちょこ他人の感想も読んでたけど

「彼氏にラジオ投稿の趣味を褒められてたのに切れた意味が分からない」とか言うのをちらほら見た。

この漫画…全体的に理解出来たり共感しちゃう方があんま良くないと思うけど

 あのくだりはみこ自身が自分の事を”ラジオにはがきを送ったり、バーで放送作家にネタ提供をする文化人の一員”だと自己評価してたのに、

みこが見下しているしがない一般人である倉田に単なるラジオ好きな一般人(の趣味)と見なされてしまった事で「業界側の人間じゃない」「特別な人じゃない」と自己評価を否定された事、そして頭ポンポンされた事の両方で怒りが爆発している。

 頭をポンポンする、って普通は犬猫や乳幼児を甘やかすもので、一人前の相手にするものではない。子供が相手だとしても小学生以上ならもうその子の自尊心を傷つける恐れがあるので不用意に頭ポンポンはやらない。例外は自分からそういう赤ちゃんプレイを求めているとき。

だから帰宅早々、自分のクリエイティブな部分を否定された上、頼んでもないのに頭ポンポンされた(趣味ではしゃいでいる幼稚な女の子扱いされた)みこは自分が倉田に見下されていると感じて爆発する。

  

倉田は悪い人じゃないんだろう。でも彼がアプリでもモテなくて35歳独身でみこなんかと付き合っちゃってる理由もよくわかる。

頭ポンポンは…あたまなーでーてー???とバブバブ言いながら擦り寄ってくる色んな意味で酔った人におねだりされてからやるものであってどんな女性も速攻で落ちる魔法の決め技ではない。むしろそういうムードでもないのに頭をポンポンすると普通は相手のプライドを傷つけて、好感度が下がる(これは男女ともに)

倉田は一応「女性にいきなり触ったりせずカラオケ店や飲食店でも相手の反応を伺い少しずつ距離を詰めようとする程度には常識がある」ので

ここの頭ポンポンは

→倉田的には頭ポンポンが彼氏彼女間でバブバブプレイをしたい、イチャイチャする時にする行為だという事は認識している。

→倉田的にはこの時のみこが「趣味のラジオでお便り読んでもらえたんだよ~しゅごいでしょ~見て~褒めて~」と自分に甘えて来たとジャッジした(勘違い)

→彼女であるみこに要求された通り「よしよしよかったね」をやってあげたつもりなんだけど

実際は全然そうじゃなくて場面の空気を読めてないし、みこの人物像も掴み切れてない。ので相手を怒らせると言う結果になった。

みこの悪いところはみこ自身、イチャイチャを仕掛けてくる倉田に対して内心冷め切っているのに表面上は自分も倉田と同じ温度感でイチャイチャが大好きな女性のように振る舞って相手の勘違いを増長させてしまっているところだ。

 倉田は無趣味かつマニュアル通りな人間で、一般的な「彼氏」「彼女」はこういう事をするだろう、というマニュアル通りの行動をしたがるだけで、恋人関係になっているはずの相手(今回はみこ)が本当はどういう個性で、何を欲しているかに興味がないタイプ。

一見穏やかで優しそうだけど本当の意味では全然優しくはない。要するに真面目系クズ。そもそも大人が趣味に夢中になったり本気になるという発想すら持ち合わせてない。

だから普段の会話でもみこが一応は興味を持っていて、楽しそうに話している内容に対してまずは否定し、鼻で笑い、わからない、やったことない、しらない、なにそれwでぶった切る。

 

もし倉田本人が無趣味でも、普通程度に想像力や思いやりがあれば、いくら空っぽ人間で浮ついた事ばっかり言うみこが相手とは言え楽しそうにしてる相手に対して明らかに引いて見せたり、どうでも良さそうに聞き流したり、小ばかにして笑ったりしない。

というか曲がりなりにも彼女が「自分の友達がバンド組んでるから見に行かない?」と誘ってくれたのに「ん?バンド?芸能人じゃない人の?タイバン??変な語感~!プークスクス!」は普通にウザい。

倉田の中でお金を出して観覧するバンド=有名プロの物に限る。インディーズや趣味でやってる人の演奏に金出す意味がないと思っていたとしても、相手のリアルな知人がやっているという情報を出されているのにこのリアクションは幼稚というか無神経。

 

倉田は正社員で働いていて暴力を振るわない…だけで良い人ではない。

男女逆にすると

・向上心や好奇心は薄く無趣味で「普通」のステータスにこだわるつまらない女(同じクラスや職場にいても普通にしてたら興味持たない程度のブス顔でスタイルも悪い。ギリギリ妥協して抱ける…程度)特別若くもないし処女でもない。彼氏の趣味に全く無反応どころか、否定的で小ばかにして笑ったりする。 普通であることのみに関心があるのでそもそも趣味全般は独身者や隠居老人の暇つぶし程度にしか感じておらず、それって結婚したら辞めるんだよね?普通は家庭第一だよね?貯金して40歳までに家を買って子供は2人だよね?

というタイプの普通だけど良い人と言うにはちょっと…こんな女と結婚したいか?って感じの女になる

 倉田は自分の希望「この日しかスケジュール空かない」「こういう場所では楽しそうにしてて」「箱根は近すぎるから伊香保」「海外旅行は新婚旅行で行くもの」とかは口調はやんわりながら全部自分の中で決まっててそれを押し付けようとしてくるあたり既にその片鱗が見えている。

なんか…ウザいなあこいつ…って言う感じ。みこと付き合う程度の男ってことで意図的にそう描かれてるんだとは思うけど。まあこんなんだから「普通の女性」は倉田を結婚相手に選ばない。

みこは倉田を見下してるけど、倉田は倉田でみこに興味がない。みこに興味がないからこそ見下されているのに気付かず付き合えてるともいえる。

しかもこの二人、みこが倉田に合わせることで付き合いが成立しているので(妥協の産物として合わせてるだけだからみこが良い人と言う意味ではない)倉田はみこに合わせる努力はしていない。その証拠としてみこの希望や提案は入りたい店から旅行先、休日の過ごし方に至るまで一つも通らない。全部倉田の希望が通る。

あくまでこの二人の関係の中ではみこが大人になって一歩引いて倉田の希望に沿っているのに、倉田的には趣味ではしゃいじゃうちょっと幼稚な彼女に大人な俺が頭ポンポンしてあげる♪をしてくるわけだからあそこで切れるのも無理はない。

あと普通の男が真面目にみこみたいな女と付き合ってたら普通は途中で「何だこの女意識高い系かよめんどくせ」「この女なんか俺のこと見下してるな、嫌な女だな別れよ…」って気付くと思うから、今までみこの元に誰も男が残らなかったように、立ち去ると思うんだけど倉田にはそれが分からない…だから35歳独身…。

  

・普通っぽい見た目・職業で、自分よりちょっとだけ若い女と普通の恋人同士がやることを普通にやれたらそれでOKで、特別優しくもなければ良い人でもない真面目系クズ男と

 ・理想が高いけど目標が絞れていないから得られるものが少なく、不満だけを溜め込む流され無個性女(これ面白いのがみこは憧れのリサや伊藤の意見に流されるだけではなく自分が見下している倉田にすら流されて付き合うという。全く自分の軸がない)の恋愛…

むなしい。

 

バーテンとして働く傍ら服飾デザイナーとしてもコツコツ努力を重ね、個展をひらく等結果も出し、同じく放送作家として番組を持つなど結果を出している伊藤と結婚したリサ(自分をしっかり持ってる人同士でお似合いだし釣り合いもとれてる)と、

 

一度は地下アイドルとして挫折したものの地道に努力して念願の音楽シーンに返り咲き、伊藤の後輩と交際スタートさせたマナミ(元地下アイドルと言う事で音楽シーンで見下されがちだったけど腐らずピアノの練習したりこの人も自分がしっかりある)

 

の二人に囲まれて「今度は彼氏と一緒にライブにおいで」と誘われたみこは

「彼氏は連れてきたくない」と誘いを固辞する。

(実際連れてこない方が良い。倉田を連れて来てもアウェイ感に堪え切れずに帰りたがる、つまらなさそうにするのが関の山。興味がないジャンルの人相手でも良い所を見つけて褒めようとするような屈託ない明るくて楽しい良い人ならとっくに結婚してる)

 

倉田がこういう場所が苦手だから倉田を尊重して連れてきたくないのではなく

自分が見下している男と妥協で付き合ってて、キラキラしているリサやマナミに紹介するのは恥ずかしい思っているから連れてきたくないという糞女感を爆発させ始めるみこ

(そもそもリサやマナミはみこの事を身内と思ってないから自分たちと対等に話が出来る男が来るとは思ってないし、そういう意味で誘ってないのに、勝手にみこがこの二人に自慢できない倉田に不満を感じている)

そしてついに社交辞令で「やさしい、良い男と付き合えて良かったね」って言ってくれてるリサとマナミに対してそんなに言うならお前らの男と交換してくれ!とみこは二人に最悪のマジレスをしてしまい、キラキラ二人をドン引きさせてその場から逃げだす。

 

自分の望むものが何も手に入っていないから、自分には価値がない、他人にも見下されているはずだと暴走したみこは(これはみこ自身が常に人を見下して生きているから、絶対に他人も自分と同じように見下しているという歪んだ確信に基づいている)

同級生?でハンドメイド作家をしていると思わしき友達に夜中に突然電話をかける。

「私のことバカにしてるでしょう、しょうもない男と付き合って、仕事も大したことない私を馬鹿にしてるわよね」

突然電話をかけてこられて内容がこれだった友達は最初意味が分からず

「やりたくない仕事して生きてるんだから彼氏くらいできてよかったじゃんとはマジで思ってるよw」と冗談っぽく処理してくれようとするが、

クソ女ムーブを爆発させたみこに「デザイナーと一緒に仕事してるからっていい気になるな」的な喧嘩を売られ、

「自分は自分が好きな仕事を出来るように努力してきた、その結果が今出てるだけだ(別にお前にデザイナーと繋がってますアピールなんかしてねえ。生活の中に自然にデザイナーがいる環境に自分を持って行っただけ)」とみこに言う。

 

文化人界隈に人脈を持ってる「つもり」だったみこ、と

本当に仕事としてその世界で生きて人脈を持っている友達の差は、なんでもない努力の差。と友達に突き付けられ、みこも内心認めるがそれでも納得できず空港に向かって走り出す。

多分友達はこの件だけではみこを見捨てはしないと思う。「この前こんな電話して来てマジウザかった」と他の友達に愚痴られるだろうし、今までと違ってこいつ何か卑屈になって拗らせててうっとうしいな、次同じこと繰り返したらFOするか、という感覚をどこかで持たれつつもみこから謝ればまた元の輪に戻れる。

彼氏の方も謝れば元さやに戻れるかもしれない

でもプライドが高いみこは多分どっちにも謝れずに孤独になる。という暗喩がくるのがラスト。

自分がそうなりたかった女(放送作家のイケメンと結婚し、仕事の傍らサブカル業界で自分の夢も叶えている)リサが旅行先に選んでいた「ウラジオストク」へと自分探しの旅に出ようとする。

それもリサがどうしてこの国を選んだのか、リサと自分の考え方の違いは何かとかしっかり考えて行き先を選んだのではなくて、単純にリサが行ってたからうわべで真似ただけ。

こういう状況では自分探しの旅に出るのがカッコイイと思ったから、と言うパフォーマンス旅行。

このパフォーマンスだけで生きてる感じ非常にみこと倉田はお似合いと言うか似た者同士なんだけど。

結局ビザがないと行けない国だったから入国できず空港で立ち往生

リサの旅行先にたどり着きさえできないwwというオチ。

元の場所にも新しい場所に行けず独りぼっちでおわり。

 

多分みこは何も成長はしない。年齢が年齢だし。

自分に酔ってた事だけは最後に少し察したけど、反省は出来ない…

だから孤独になる。というむなしさ。

 

これを読んで経理は立派な仕事だよ!だから経理の仕事に就いて、休日はバーに入り浸れる財力を持っていて、突発的に自分探しに行ける主人公も立派だよ!と言う感想はなんか違う。

経理は立派な仕事だし、それに就くにもそれ相応の努力は必要なんだけど。

 

この話はあくまで、身分不相応な望みを持ち、理想に近づく努力をせず、「普通の幸せ」が何だかんだ一番いいというフレーズの刷り込みに流されて、自分のしたい事を良く考えもせず他人と世間に流され、そのくせ他人の値踏みばかりしてた女が勝手に不幸になるという話だと思うので…

他人と比べたり他人の真似をしてもしんどいだけ。

自分で自分のなりたい自分像を見つけて、そこに向かって後悔しないように一生懸命努力をしなければいけない。…なかなか難しいけど

 

私は友達が少ない

30代って、友達何人くらいいるものなんだろう?

 

俳優の三浦春馬が亡くなってから一週間過ぎた。

俳優やアーティスト、生前彼と仲の良かった沢山の人が彼の死に涙してたりショックを受けて活動の休止を表明したりしてる。

 

自分の周囲でもニュースの第一報が入った時は騒然とした。

私自身特別ファンではなかったけど昔からよく見る顔だったから自殺と聞いてショックだった。

テレビでよく見る人、でしかないけれど

めったに会わない学生時代の知人よりは圧倒的に親しみを感じている人だった。

ご冥福をお祈りいたします、ってあんまり好きじゃないけれど

せめて本当に、冥福があったらいいなと思います。

 

私は学生時代の友人とはほとんどつながっていないし友人はあまり多くない。

 

 

小中高大社会人、色んな人と「友達だった時期」がある。

だけど進学したり住処を変えるごとに学校が同じだけで繋がっていた友達(会話の内容が学内で完結する内容だったり、物理で距離が出来るとそのまま心の距離も広がる友達)は消えて行って、本当に一握りの、趣味も一緒だったり気楽な友達だけが残るようになった。

 

多分ほとんどの人にとってはそれが普通で自然の事だと思う

ネットで30代女性の友達関係についてを検索するとライフステージの変化で友達がドンドン減っていって孤独になっている人や

ママ友ステージで自分の友達じゃない、子供の友達のママに固執して失敗している人の話なんかはわんさか出てくる。

大抵の大人は「自立している」前提だから友達なんてたまにしか会えなくても良いって言うけど、やっぱり友達はいた方が良いと思う

 「これがこの人と会う最後」ってほとんどの人は知らない。

あまりにも普通にさよならをして、そのまま一生会う事がない。

 思い返すと、「ああ、あの人と最後に会ったのはあの時かあ…」なんて

めっちゃどうでも良い日の、何の特別感もない居酒屋の前だったり、駅のホームで偶然学校帰りにすれ違った姿だったりを思い出す。

25歳の時に高校の同窓会があった。先生も来てくれて確か40人近くいたクラスで30人ほど集まった。なかなかこれだけの人数がそろう同窓会はないと言って先生も喜んでいたのを覚えている。

あの時来なかったのは、大学卒業してすぐに結婚してもう子供がいた女子(2人いた)、仕事で海外や地方に行っていた人だった。あとはよくネットでネタにされてるけど、当時クラスでいわゆる陰キャ過ぎて友達がいなかった男子は誰も連絡先を知らなくて呼べなかった。

もちろん仕事で来れない人は他にもいたんだけど、大抵は一人くらい直近でその人と遊んだって言う誰か親しい友人がいて「その人は今どこで何をしている」という近況を教えてくれた。

今思えば25歳のあの若さでも、すでに孤立している人はいた。同級生の誰ともつながってない人。本人の選択の結果だから決して不幸と決めつけるわけではないけど

そういう人たちは30になった今どこで何をしているんだろうか。孤独さを感じたりはしてないんだろうか。

 

結局25歳の同窓会を最後に私も同窓会には行かなくなったし高校の時の友達と会ったのもそのあたりが最後だと思う。

27歳くらいの頃に来年くらいに結婚するから独身最後に一度会いたいって言って連絡をくれた人は数人いた。

よくそういう場面だと幸せ自慢されてムカついたっていう漫画を見たりするけど私は幸せ自慢はされなかった。私に連絡をくれた人たちは単純に私を、私と過ごした学生時代を懐かしんで会いに来てくれていた。

それが今思えば結構寂しい出来事ではあったかもしれない。

だって彼女らの中で「独身最後の思い出」の景色の中に私を入れてくれたのは

「結婚してから私と会う事はほとんどないだろう」と心のどこかでそう思ったからに違いない。実際私は地元を離れて遠方に住んでるから彼女らの考えは正しくて

それ以来会うことはない。

私も彼女らの最後の姿としてどこだったかの高層階の、しっとりとしたソファに、まだ若い女の子5人くらいが集まって、ちょっと背伸びで買ったであろうワンピースを着て綺麗なケーキを一緒に食べた

とても幸せな独身女性像としての姿を思い出す。

 

私は友達が少ないけれど友達との思い出がたくさんあって、思い出すたびにちょっとだけ苦しくなる。

 

今はコロナだから特に難しいけど、落ち着いてから連絡をして

「ホテルのスイーツバイキングに行かないか」って誘えば

付いて来てくれるであろう友達は5人くらいいる。5人全員に共通の接点はないからグループじゃなくて、2人とか3人で行くことになるんだけども

多分その5人とはあと5年くらい経っても友達でいると思う

なぜなら全員もう知り合ってから結構な年月が経ってるから…

 

10年後はどうだろう…誰かの結婚出産で変わったりするのかな。今一番変動が大きくて、友達が減るよと言われている30代だから今後の事が分からない

 

寂しくて死にたくなるけど

無理やり寂しさを紛らわせようとするともっと寂しくなるのは30歳だからもう知ってる

どうしたらいいんだろう

 

 

 

 

池袋の乙女たち

乙女たちの目から、私はどう見えるんだろう。

 

他人からどう思われるかに振り回されるのは思春期までにしておけ、とは思うけれども

人生山あり谷ありなので今は他人の目が気になる時期と言う事にしておきます。

 

冬コミがスタートして、私も久々にオタク仲間とオフ会をした。

アラサーで新しいジャンルに行くと自分が最年長になってしまう恐れがあるんですねえ…。今回まんまとそれでした。

 

元々いたジャンルはご長寿ジャンルだったから年齢層はかなり広くて、私で中堅くらいだったけど、最新ジャンルは20代がほとんど。10代もいたので三十路はなかなか肩身が狭かった。

 

 

 

さすがに十代の人から見て30の大台は引くのは分かるよ…仲良しの友達と放課後あそぼー!って集まった時に30歳が混ざってたらびっくりするし色々思うよね。この人30なのに子供と一緒に遊ぶのか?って。同じ目線で騒ぎにくいって感じても仕方ない。

そんな中に私もズカズカと踏み込んでいくのは違うと思うから、地方組のみんなが泊まるホテルでの二次会なんかは辞退させてもらって、帰りに久々に乙女ロードに寄った。20代後半だった二人も一緒に辞退してた。しゃーないよねこればかりは…。

 

同世代だから共感できる言葉っていうのがあるんだよね

例えば彼氏が欲しいとか、婚活してるとかいう話題で。今回25の子が婚活始めたって言ってて、「やっぱり27歳くらいまでには相手見つけておきたいじゃないですか、それ以上はもう売れないだろうし!」

って言った瞬間に27以上の人が引き攣って、それを察した19歳も引き攣るという悲劇が起きてた。19歳はあれ。まだまだ余裕がありすぎて婚活すらピンと来てないから25歳の人への共感の前に「これは失言だ」っていう空気を読み取るわけです。

で、19歳が「マズいっすよ先輩…」と言う顔をするのを見て25歳もアッ…となるこのムーブ…

 

年長組とはオフ会を一次会で離脱後池袋でお茶をして婚活の話をした。20代の二人は彼氏がいなくて、どうしたらいいですか?どうやったら出会えますか?と質問攻め…わかる、わかるよ。不安なんだよね。

 

いや私も、今は街コンで出会った彼氏がいるけど結婚の話をするたびに本当に結婚したいのかどうなのかは頭の片隅で悩んでる。30になって悩むことない、彼氏いるなら結婚に突っ走りなよ!って客観的には思うだろうけど、

30にもなると独身の楽しみ方も分かってきてひとりだからこその幸せ感じたりもするから結婚に進むのかどうなのか迷いが増える。

 

ネット上では確かに「結婚しなくても幸せになれる時代」って言われてるんだけど

現実には「27までに相手を見つけておきたい」って言って婚活する子は多い。

出産の事を考えたらその数字にこだわらざるを得ないしね。

 

面と向かって他人に「30歳で独身?あなたは売れ残りですね」なんて失礼なことを言う人はいない。今の時代は「結婚は個人の選択ですもんね」と言わなければいけない時代だから。

でも「27歳までに相手を見つけておかなきゃ!売れ残りは嫌~!」というのが本音だ。他人の事はどうでもいいけど、自分はそう思っているってこと。

そう思っている人がいる限り、30代独身の気が休まる事はない。

面と向かって言われてなくても悪口は悪口だ。自分に言われてなかったとしても自分の出身地や自分の所属を指して「あそこは嫌」なんて言われたら傷つくと思う。

人が嫌がるようなところに所属してるんだ私…と多少は卑屈にならざるを得ない

 

なんだかんだ若いオタクたちでさえも、永遠にオタク趣味で盛り上がりたいと言いつつ、30になったら落ち着きたい、って言うか30では勝手に落ち着いているだろうって思っているから。現実に目の前に30歳のオタクが来ると

「え?30でもまだオタクやってるんですか」と言う空気が漂う。

 

もちろん一人でオタク趣味を楽しんでいく分にはずーっと楽しめると思うんだけど、オタクって何だかんだ言ってオタク同士で交流するのも楽しかったりするわけです。

だから交流も込みで楽しむタイプのオタクには、この悩みが突き刺さるんだよね。

 

とりあえず20代後半の二人は婚活アプリを入れて帰って行きました。うん…気になるんならやっぱり婚活は一度はしても良いと思うんだよな。

「私は独身が良いです」って20代で腹が決まってる人は必要ないと思うけど

迷いがあるなら後悔しないように行動はした方が良いと三十路の私は思う。

 

30歳になると急に結婚が増える。20代の間はなんだかんだ腐女子仲間も独身が多くて友達みんな独身だから平気なんだけど30歳に突入するや否や。今年に入って結婚報告をもう3件頂いた。

「一緒に独身満喫してたじゃない。楽しかったのに、何で結婚するの?あなたが結婚しちゃったから私が行き遅れみたいに感じて嫌な気分になったじゃない!」なんて誰に怒りをぶつける事も出来ない。

 

今日はそんなやりとりの後乙女ロードをぶらぶらと歩いてちょっとしんみりした。

池袋は私が10代から世話になっている街だけど、変わったり変わらなかったり。

多分Kブックスとかまんだらけの場所は変わってないよね?微妙に拡大とか階が変わったりはしてるのか??何となく歩いてこの辺にあったよな~?って場所にあったのでビルは変わってないような気がしたけれど。

 

池袋でバイトしてた時に、先輩が昼休みに同人誌を買い漁って、帰りにKブックスに売りに行くという荒業をやっていたのをぼんやりと思い出して、当時先輩がハマってたジャンルの本を一冊買ってみたりなんかした。いやたまたまそのジャンルの棚の前を通って思い出しただけだけど。

その先輩が今どうしてるのかはわからない。就職する時に辞めて、お店もその後潰れてしまったから。

 

アニメイトカフェの窓をみて、昔はここがアニメイト本店だったんだよなーと思い出す。牛乳パック型のビル。

昔ここに一緒に来た友達は、数年前に亡くなった。妹さんから連絡が来てお葬式にも行った。Twitterでも時折訃報があがるが、同人界隈は無理な生活が祟って30前後で亡くなってしまう人がいる。

最後にその人と一緒に池袋に来た時に、一緒にグッズを買ったジャンルは今もコーナーが健在だった。まさかジャンルが死ぬ前に先に友達が死んじゃうなんて思いもしなかった。

 

池袋の中古ショップの棚には、軽く20年前に頒布された同人誌も並ぶ。玩具ならもっと古いものもいくらでもあるだろう。

20年前、私は小学生だった。自分が同人を知りもしなかった時代に活動していた描き手さんの本を手に取る。1990年代に本を出したこの人もまさか2019年にまで自分の本が残ってるとは思いもしなかっただろうな。今この人はどこで何をしているだろう。

 

久しぶりに歩いた池袋には10代や20代の頃の私がたどった道がそのままあって

10代の頃の私みたいにフリルがついてていかにも安い服を着ている腐女子

20代の頃の私みたいに友達と一緒に行動している腐女子がたくさんいた。

 

乙女ロードはサンシャインビルの傍にある。サンシャインから出てくる人波には私より年下に見えるけどお腹に赤ちゃんがいますのキーホルダーをつけて旦那さんと腕を組んでる人やベビーカーを押してる水族館帰りのママ、彼氏と仲良さげに歩いている人がちらほらといて

 

私が10年後、この街に来るときに私は自分の子供を水族館に連れて行ったりしてるんだろうか…と何だか悲しくなった。

私が私の為に遊びに来ているこの街に、誰かを楽しませるために来る事はあるのだろうか。

もし私が子供を連れて池袋を歩きたいって心から思っているなら話は早かったと思う。

けど30歳の私が悩んでいるのはそうじゃないからだ。

10年後の自分を想像して、私が自分の子供をつれて乙女ロードを渡り切り池袋の水族館に来ていたとしてもなんだかむなしさを感じる事と

自分の為に相変わらず乙女ロードをうろうろしていたとしても、それはそれでむなしさを感じる事だ

どっちも嫌だと思う。だからどうなりたいのか分からない。

 

買って帰った本にURLが載っていたのでサークル主のサイトを訪れた。

2014年にはサイトの更新が止まっていて、それ以降どうしているかは分からなかった。

最後のブログを見るにアニメやマンガへの興味が薄くなっているのが分かった。

その人がおススメしていた同じジャンルの他の人のTwitterに飛ぶと、子育て真っ最中だった。

過去には何冊も本を出した人でも、今は全くオタク活動から遠のいて生きているんだなと寂しくなった。私だってずっと同じジャンルにいるわけでもなければ、池袋をぶらぶらしたのなんて何年ぶりだろうって感じなのにね。

 

池袋の街はやっぱり「乙女」の街なんだろうか。ほんの少しの若い時間にみんながちょっとだけ集まってくる街。乙女だった時期に作った創作物を置いていくタイムカプセルみたいな街

 

狭いマンションの入り口に消えていく二人連れの女の子たちを見た。

一見マンションだけどオタク関連のお店みたいだった。

ああ10年前、私もそういう小さいビルの中にある執事喫茶みたいなところに行ったなあって思い出す。

 

4人で行った。そのうちの2人とはもう連絡が取れない。

漠然と、まあ30までには結婚で来てたら良いけど今は良い相手が現れる気配もないし

そのうちそのうち、と考えを先延ばしにしていた。

25の時、結局このままじゃ自分が結婚したいと思えるほどの異性と出会う事はないのでは?と感じて今日オフ会で出会った25歳の子と同じように普通の出会いも探しつつ、保険として婚活を始めてもいいのかもと思い始めた。

売り手市場の時に一回は行って様子見とくか?って。皆が考える事だ。

 

そして大人数が参加する婚活パーティで29歳の女性と会話をした時に

「ああ29ってこんなに肌や髪が乾燥してるんだ…」と焦りを感じた。

きっと今日出会った子も、私を見て「30ってこんなにおばさんなんだ…」と思っただろう。

他の30代が子育てで忙しいのにこんなところに子供に交じって遊びに来ているこの人は「普通」よりちょっと「可哀想」な人なんだろうって思ったかもしれない

 

自分が29歳の時にはもう恋愛や婚活は卒業していたいと25歳の私は思った。

ただそう思っただけで卒業後どうなっていたいのかの想像はぼやけていた。

 

結婚するにしても諦めるにしても30歳、何で人生80年時代に30でコースを決めないといけないんだろうな・・・・人間の野生の寿命は38くらいらしいけど

文明ありきの世界では40くらいまで乙女でいさせてほしかった

 

叶いもしないけど私は40歳でステキな大人になりたいんじゃなくて

永遠に20歳でいたいんだろう。安物の服、安物の靴、ワンルームマンションに住んでいるのが当たり前。

25歳の若くて可愛い先輩が身近な人間の中で一番の大人。それ以上の主婦パートさんは自分のお母さんと同じ枠の人であんまりか絡みもないけどすごーい尊敬~子育て頑張って下さいとか、お子さんがいるのにイベントに遊びに来てもいいんですか?って無責任にはやし立てる。

28歳の独身の人が焦ってるのをみて「私は焦る前になんとかしよーっと」って言っておくだけで「えらい。将来の事考えてるね」って言って貰える20歳のままずっと生きられたら楽なのにな

割と真剣に「もし医療が発達して若返りが現実化したら、慌てて今決断を下さなくてもこのまま現状維持をしているのが正解では?」と悩んでしまったりしている。

 

私が20代の時に、初音ミクの3Dか何かを見ながら、「科学発達してきてるからそのうち二次元に行けると思う。だから現実の男性と結婚するのは待った方が良いかなって本気で思ってる」って言ってきた35歳の人を見て、この人何言ってるんだろうって憐れんだのに。

自分も同じことを考えてる。