morisankunの日記

アラサー。

同人バブルが羨ましい

恵まれている人や才能がある人を見ると自分ってなんで存在してるんだろうなと感じてしまう。

 

中学生くらいの悩みなのかもしれないけれど実際そうだ。私は特別ではない自分の事がまだ受け入れられていない。みんなはそうじゃないのだろうか?

特別な自分の為と思うから生きられるんじゃないんだろうか。どうでも良い自分という存在を認めた瞬間じゃあ何で生きてるの?と思わないのだろうか。私は思う。

いてもいなくてもいいのであればいなくてもいい。そのくらいには今の時代はただ生きているだけという状態で楽しい事は少ない。

 

私は客観的に見てそこそこ頑張ってる部類ではあると思うけど一番にはなれない。そして一番の人を見てずっと羨んで生きている。

 

子供の頃のピアノの発表会で間際になって緊張する落ち着かない、とため息をついた時にピアノの先生に「あなたも緊張するんだ?」と驚かれた事で逆に自分が驚いた記憶がある。それくらいいつもは何でもかんでも普通にこなしているように見えるらしいし文句もなく生きているように見えるんだと思う。でも腹の中は文句だらけだ。

勿論常日頃から悩んでいるんじゃなくて何かの拍子に夜考えだすと眠れなくなる。という感じなのだが、、 

感情を小出しにして生きていればもっと楽なのかも知れないと思ってこのブログに吐き出すことを始めたが、未だ悩みだすと夜中に眠れなくなって一週間ほどずっと同じことで悩む癖が抜けていない。何とか頭を整理させたいと思って今日も夜にこの文章をうつ。

 

私は学生時代同人サークルで活動していた。10年ほど前の話だ。当時人気のあったサークルさんの事もあまり覚えていないけれど人気のジャンルだったからかなりの人がいて、島中のサークルさんでも後々プロデビューする人がいたくらい人材豊富だった。

勿論全員の事を把握はしていないし、名前を変えている人もいるだろうけど覚えている限りデビューして数作描かれていた人は沢山いたが大ヒットをする人は中々いなかったと思う。同人作家の商業進出に関しては失敗しやすいと見る人も多いのだが案外ヒット作家でも「一度か二度出席した事ある」という同人経験のある商業作家さんは結構いるとサークル参加時も聞いた。

同人出身で大ヒットと言えばCLAMP先生や高河ゆん先生を思い浮かべる人が多いだろうか。

私が子供の頃にはその人たちはもう商業の作家さんだったから同人時代の事はネットで拾える程度の伝説としてしか知らない。

だが詳しい人に聞くと当時の伝説というのが同人バブルのてっぺんの話であるとは言うが、全体的に今よりもっと凄かったという話を聞く。

今は、島中に関しては20部~200部程度が多いと思う。お誕生日席で400部~

壁だと2000部くらいは刷るだろうか。私のマックスは400くらいだったと記憶している。一回に400完売ではなくダラダラと同じ本を既刊扱いでイベントで売って通算400部だ。新刊としては200刷って行って完売させて帰っていた。

その収入で半年くらい働かなくてもいいお金になった。もちろんそれは人気ジャンルだったということが非常に大きく、旬がすぐに去ってしまったから働かなくて済んだのはたった半年で、結局私は普通に就職したのだが。

バブルの頃は島中でも2000部だったそうだ。壁だと初版で3万部を完売させる。そんな話がゴロゴロ出てくる。今とは熱量が全く違う。

 

同人誌では稼いではいけないという暗黙の了解がある。当然だ。他人の作品を下敷きにして権利者でもない人が金を稼ぐなんて普通に考えてアウトだが

同人の賑わいには宣伝効果もあり、ファン同士が盛り上がる事によって新たなファンを増やし原作にも良い効果をもたらすことが多い。

むしろそこの部分だけを期待されてお目こぼしをされているのだから昨今のネタバレ禁止、発言自重を言い出すオタクは自分がそんなにネタバレを気にするなら最新話を読むか自衛しろと言いたい。電子で日付が変わればすぐに買える時代なのだからネットで文句言う前にネット使って買い物しろと言いたい。が今は主題がそちらではなく

 

お目こぼしの結果生まれた同人界という二次創作世界でも新たなスターが生まれる。

人が集まる事がエンタメの第一歩だからそりゃそうなるんだろうけど人の集まり方が昔と今では全然違う。

今の漫画が弱いのではなく、当時の同人バブル期も日本のバブル期の一端の話だからだ。 

同人ジャンル特別なことではなく国全体が活気づいていたからその当時の人たちはオタクでさえ羽振りが良かったという話なのだろう。バブルを経験した人たちはみんな元気が良いと思う。会社の先輩もそうだ。アラフィフの人は楽天的な印象の人が多い。

どこかで絶対にやればできるっていう根幹があってそれを信じ切れるほどの景気が良い現実を見て来たんだろうと思う。

生まれた時にはバブルが崩壊していて物心ついたころには自殺者が3万人に達したとかいう現代社会の若者は、夢も希望もさほどない。

そんな中でも楽観的な人と出会う事があるが大体家がお金持ちの人だ。東京に生まれて東京で育って、将来的にも東京で生活することが出来そうな人たち。

 

地方でも家がある人は多いんだけど地方は過疎問題が深刻で、戻ったところで仕事がないから結局家のない都会で暮らす羽目になる貧乏人は多い。私もその一人だ。

 

最終的にお金がなかったらどうしたらいいんだろうということは深く考えてはいけないと思う。私の同級生も家の資産がない子たちは将来の事を話さないし子供も作らないだろうなという雰囲気で生きている。

金がない人ほど先の事を考えなければいけない、と思ったとしたらその人はある程度金がある。本当になければ考えるだけ無駄だ。やりくりするにしてももとでもないし

将来の為の節約と言ってそれ以上生活を下げたところで、何のために生きているのやらとなってしまう。

 

同人バブルが羨ましいと書いた。調べる程に当時の豊かな暮らしが浮かび上がってくるからだ。頂点にいた人気同人作家の事を夢物語のように語っている当時の人々自体もブランドの服でイベントの会場に出向き、ブランド品を差し入れしたとか、今よりずっと金がある。

 

ブランド品が欲しいわけじゃなく、他人にそんな高い差し入れが出来る金とその選択肢を持っていたことが羨ましい。

大人数でお祭りしていた活気が羨ましい。何億も貯蓄が出来て、この今の不景気にもあまり不安を感じずに生きているであろう当時の人気作家や、そこまでじゃなかったにしても同人貯金で余裕を持って暮らせている人たちが羨ましい。

今は旬が短いから同じことをしようとしてもできない。

どれだけ人気ジャンルだったとしても羽振りがいいのは人気CPの一部と、ジャンルが最高潮に盛り上がっている半年くらいのボーナス期間くらいだろう。

 

深く考えずにノリでなんとかなっていた昔の日本が心底羨ましい。